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システアミンとシステインの効果

カラーの前処理にシステアミン←時系列見ると2012年のなので…もう10年以上も前の記事になりますね。

 

カラーリングしながら毛先の収まりを改善する…WECO BASE の非公開Facebookグループでは定番の一つではありますが

珍しく深堀する質問を頂きました。

「カール7のシスアミやTHE CYSで処理すると髪がしっかりと補強され艶々になる仕組みを教えてください。」

実はこういった質問は少ないので知ろうとする意欲が少し嬉しかったりします♪

ではでは本題に…

髪はケラチンで出来ているのですが…そのケラチンタンパクはアミノ酸の集合体でもあります。

アミノ酸というのはアミノ基(NH2)とカルボキシル基(COOH)から構成されます。

アミノ基とカルボキシル基が脱水縮合してアミノ酸へ

アミノ酸の末端のアミノ基とカルボキシル基が脱水縮合してペプチド

ペプチドの末端のアミノ基とカルボキシル基が脱水縮合してジ・トリ・テトラ・ペンタ・ヘキサペプチドと分子量が多くなるにつれて呼び名は変り…ポリペプチド!PPTのことですね。

ペンタペプチドと言えば昔クローダ社からPEPケラチンという廃盤になった活性ケラチンがありましたね…話が逸れますので機会があればまた(笑)

 

で、アルカリカラーやアルカリ還元剤に含まれるアルカリ剤、これは髪を明るく脱色したり酸化染料の重合を促進、または還元効率をアップするために必要なものです。

ただこのアルカリ剤によってタンパク質は加水分解を起こします。

先程書いた脱水縮合とは逆の反応で

タンパク質が分解する際にアミノ基とカルボキシル基が切れてポリペプチド(PPT)はペプチドへ、さらにペプチドはアミノ酸へ

これを繰り返すことで高分子のケラチンタンパクは低分子化し毛髪外へ流出し

疎水性の高分子ケラチンは低分子化して親水化します。

親水化するとハリコシが無くなり結合水が減り自由水が増える事から乾きにくく乾いたらバサバサに

これがダメージの正体です。

またアルカリは脂質を乳化して溶かすだすので髪が保水力を失い乾燥し硬くなります。…この脂質に関してはまた別の機会に(笑)

 

ではダメージを減らすにはどうしたらいいのか?

 

答えは一つではありませんが本日のお題「システアミンとシステインの効果」です。

カラー剤にシステアミンやシステインを混ぜる!

カラー剤に混ぜるとシステアミンとシスチンはそれぞれ酸化されシスタミンとシスチンになります↓

汚い字ですみません💦

ここからは僕個人の憶測でしかないので信じるか信じないかはお任せしますが…(笑)

アルカリカラーやアルカリ還元剤を塗布してある程度放置すると目的の脱色や酸化発色しますが、同時にケラチンが加水分解されます。

ということはアミノ基とカルボキシル基がある状態になるのですが、そこにシスチンやシスタミンが存在すると末端にあるアミノ基と髪のカルボキシル基が架橋します。

シスチンの方はカルボキシル基も存在するので、髪側のアミノ基と架橋すると考えられます。

分解された髪のタンパク質が架橋され毛髪外へ流出することが抑えられるので結果的にダメージを抑制したことになります。

もちろん元の構造を維持しているわけではないのでノーダメージではありません。

 

THE CYS(システイン)をカラー剤に混ぜた時と、カール7(システアミン)を混ぜたときを比較するとTHE CYSの方がハリコシが強く硬い仕上がりに、カール7のほうは柔らかく仕上がります。

この違いはシスチンの方が架橋数が2つ多いからだと思います。

ここらで気付く方も多いとは思いますが酸熱トリートメントです。

酸熱は物によりますがアルデヒド基やカルボキシル基を持ったジカルボン酸類とメチレン架橋やイミン結合、アミド結合しますが、この仕組みと同じ様に架橋します。

違いはジカルボン酸類に無いSS架橋を分子構造にあるかないかの違いで、仕上がりの質感はジカルボン酸類の様にただ硬く仕上がることはなく、あくまで自然な健康毛に近い弾力とハリコシそれから艶になります。

操作は簡単♪カラー剤の1剤2剤合わせた総量にTHE CYS(システイン)もしくはカール7(システアミン)のどちらかを5%混ぜるだけ!!

なんですが…実はこれだけだと少しアミン臭が残るんです(笑)

ということはまだ導入したシスタミンやシスチンのアミノ基が架橋されていない…はずなので、これを回避するため2つの解決方法があります。

①酸性条件下に置いてプロトン化してアミノ基をNH2→NH3+にイオン化させ架橋やすくする

②別途カルボキシル基を導入する

①に関してはカラー乳化後にマルチアシッド10倍希釈塗布してチェンジリンスすることでシスタミンもしくはシスチンのアミノ基がイオン化して髪側のカルボキシル基と架橋。

②はカラー剤の1剤2剤合わせた総量にTHE CYSもしくはカール7のどちらか、そこにイージスを各5%ずつ混ぜる。イージスはジチオジグリコール酸といってよく還元反応調整剤として使われますが、分子構造をみるとSS架橋を持ったジカルボン酸なんですよね。ジチオジグリコール酸の持つカルボキシル基とシスタミンもしくはシスチンのアミノ基と架橋する。

この①と②で処理するとアミン臭は無くなる。そしてシステアミンやシスを混ぜただけと比べると弾力、ハリコシ、艶すべてにおいて上回る結果になりました。

ちなみに①はアッシュ系が退色しやすいデメリットがありますがマルチアシッドの方が軽い仕上がり。

②はアルカリ条件下でできるのでアッシュ系の退色の心配なく、②の方が弾力とハリコシ艶が一番強くでます。

僕はサロンワークで軟毛・細毛・エイジング毛・ブリーチ毛にはTHE CYSを

通常の毛やダメージ毛・硬毛・太い毛にはカール7を

あと基本的にはイージスで調整します。寒色系以外は最後にマルチアシッド→ミラーズ→ラメトリで仕上げる事が多いです…迷ったら参考にしてみてください。

 

 

 

 

 

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